なかちゃんの考えるマルチアンプシステムについて

その3

 いよいよなかちゃんのマルチアンプとの激闘の日々へ突入です。
色々アホな事もやっていますが、その全てが今のなかちゃんのシステムの肥やしとなっており、何一つ無駄だった事はないと思っています。たくさんの無駄の上に今のシステムがあるのです。失敗を恐る事はありません。失敗の全てが力になるのです。失敗なくして成功なし、と言っておきましょう。

では、次から本題に入りたいと思います。

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その2.5に戻る

その2に戻る

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 ここからマルチアンプシステムについてのお話を始めたいところですが、その2.5を書き終わったところでまだなかちゃんのシステムはマルチアンプになっていないので、ここではその2.5の続きから始めることにします。

 まず、その2.5で書いていなかったのですが最期のところではアンプがONKYO A-701からSANSUI AU-α607DRに変わっています。本当はAU-α607MOS PREMIUMが欲しかったのですが予算が足りず、607DRを購入したのです。DRとMOS PREMIUMでは音質は全く違う事はわかっていたのですがパワーアンプダイレクト端子が使いたかったので少し妥協してしまいました。でもこれならマルチアンプにするときにパワーアンプとして使用出来るのです。

それと話が少し前後してしまいますが、TADのユニットを譲ってもらったのはこのもう少し後のことで、この時点ではまだSX-900が現役で鳴っています。
(その2.5ではちょっと駆け足で書いてしまい、話の時間が前後してしまいました。)

暫くこのシステムで音楽を楽しんでいたのだが、オーディオ雑誌を読んでいると誌面ではいつもACCUPHASEのアンプが絶賛されていてその価格の高さもあって「凄い製品があるんだなぁ」といつも感心していた。
そしてこの時にACCUPHASEが国産メーカーだということも知りよけいに興味が」湧いてきた。
特にプリアンプのC-280Lの褒められ方は尋常ではなく、これがあれば最高のシステムになるとさえ思える様な褒め方をされていた。
雑誌を読めば読むほどACCUPHASE製品への憧れの」念が増していく。
もうお分かりだろう。
マルチアンプシステムに向けてプリアンプが必要ななかちゃんには目の毒以外のなにものでもない。

やってしまった・・・・・・・

さすがにC-280Lには手が出ないが旧モデルC-280の中古品を見つけて購入してしまった。
初めての高級オーディオである。

C-280が届いて箱から出した時にはもう頬ずりしたくなるような気分だった。
早速607DRのパワーダイレクトに繋いで音をだした。

「おおおおおおおおお〜」

感動ものである。今までと音楽の情報量が全く違う。ここまで変わるのかと衝撃を受けた。
これまでプリアンプって一体何?ぐらいに思ってたなかちゃんにとってその重要性を思い知らせてくれたアンプである。これがきっかけでプリアンプの働きを調べて、入力信号の電力増幅はもちろん、インピーダンス整合の重要性に気づかされる事になった。
この時はまだ良く知らなかったのだが、後になかちゃんはこのインピーダンス整合がプリアンプにおいてもっとも重要と考える様になるのである。

この組み合わせでの変化は大きく、この後また暫くこのままの組み合わせで音楽を聴く事になる。
それから少し時間が過ぎ、この音にも慣れてきた頃、例によって更なる高音質を求めてなかちゃんの中で何かがざわめき始めるのである。

さて、そうなると次はチャンネルディバイダーとパワーアンプです。パワーアンプはI氏のお下がりでPIONEER M-90aとACCUPHASE P-102を譲ってもらった。そしてチャンネルディバイダーだが、この時はまだ高価で手が出ないのでスロープ特性が-6dB/octのものを自作した。2way用でクロスオーバーは約500Hz付近のものだった。ただ簡易的なものだったので特性はすごくいいかげんである。
これらを使って取り敢えず2WAYマルチアンプシステムを構築する事にした。
スピーカーはSX-900を改造した。低域用ネットワークのハイカットと中域用ネットワークのローカットを取り除き低域にM-90a、中高域にP-102を接続して鳴らしてみた。


酷かった・・・・・・・・・・・


全く音楽になっていない。上下の帯域でバランスは取れていないし、-6dB/octという緩やかなクロスオーバーのせいで各帯域の重なりが改造前のSX-900より大きくなりもの凄く曖昧で緩慢な印象になってしまった。
とても我慢できない。しかしすぐにチャンネルディバイダーは買えないのでしばらくこのままで聴いていた。

それから暫くしてACCUPHASEのチャンネルディバイダー F-25の中古品がなかちゃんの勤めるオーディオショップに入荷した。

ムズムズムズムズ、、、、、なかちゃんの中で暫くなりを潜めていた欲しい欲しい病が再び発動した。
・・・・・・ローン組んじゃった。

そうしてF-25が我が家へやってきた。

F-25のスロープ切り替えには-12、-18、-24dB/octの3種類が選択出来る様になっている。
なかちゃんは迷わず-24dB/octを選んだ。このスロープ特性の選択には色々な意見があるのだが各帯域の位相が-24dB/octなら全て正相で揃う。-12dB/octなら正、逆、正、逆、・・・となり、-18dB/octなら各帯域で位相が90°ずつずれる。-12dB/octは各帯域の繋ぎ方で位相を揃える事が出来るが、-18dB/octでは位相を揃える事が出来ない。
それにどうせマルチアンプをするのならより立体感の得られやすい-24dB/octという急峻なカーブを使用したいこともあった。

そしてSX-900の中高域もネットワークをはずして、各ユニットをアンプと直結出来る様に改造した。

高域用パワーアンプにAU-α607DRのパワー部を使用しいざマルチアンプ始動!

おお〜っ、今までと全然違うじゃないか。決して各帯域の音が揃っていた訳ではないが、マルチアンプらしい彫りの深さがあり、一つ一つの音がすごく細かい。それに鳴りに力強さがあり聞いていて気持ち良く感じられた。

それからF-25の各帯域のゲインも細かく調整し、つながりを少しでも良くしようと試みた。
クロスーバーは低域側が500Hz、広域側が5kHzだった。ほかの周波数も試したが、この組み合わせではこれが一番良く感じられた。

この時点ではまだなかちゃんは各帯域の本当の意味での繋がりという事を理解していなかったので、大きな違和感を感じることなく暫くこのシステムを楽しむ事となる。

SANSUI AU-α607DR

SANSUI AU-α607MOS PREMIUM

PIONEER M-90a

ACCUPHASE P-102

音色感の良さと弾力的な低域が魅力敵だった607DR
このクラスのプリメインアンプとしては良く出来た方だったと思う。

AU-α607DRのパワー段にSANSUIお得意のMOSFETを使用したモデル。質感など607DRとは一線を画す音質で上級モデル707DR、場合によっては907DRよりも魅力的なモデルだった。
ボリューム感がありドッシリイイとした低音が印象的。質感は単体パワーアンプの実力かプリメインアンプの607DRとは次元の違う凄さを発揮した。
ACCUPHASEのアンプの中では当時唯一のA級駆動アンプ。質感、音色の再現性が良く、落ち着いて音楽を聴く事が出来るアンプだった。

ACCUPHASE F-25

ACCUPHASEは常に製品ライナアプの中にチャンネルディバイダーを用意している唯一のメーカー。当時ACCUPHASE製品」は国産アンプの最高峰と歌われなかちゃんも憧れていたメーカーのひとつである。(この時は)
チャンネルディバイダーは当時他に選択肢はなく、このF-25はマルチアンプ信者御用達のモデルともいえた。

この頃はどんな音楽を聴いていたかな?
I氏からの影響でアイドルものもあったが、アイドルじゃないポップスや洋楽も一部あった様に思う。
ただ、気楽聴いているというよりは、細かいところをああでもないこうでもないといいながら聴いていた。
いわゆる重箱の隅をつつくような聴き方だった。今考えると音を楽しむのではなく音に苦しんでいたという状態である。しかし、当時事はそれが楽しかったのである。少しづつ少しづつ音が良くなっていくのを感じながらわくわくしたものだ。まだ青かったといえばそれまでだが、こういう段階を踏んできたのも今のシステムに行き着くために必要だったのだろう。まだ、音楽ではなく音を聞いていたのだ。

ACCUPHASE C-280

ACCUPHASE C-280内部構造

ACCUPHASE C-280シリーズは当時オーディオ雑誌で絶賛の嵐であり、多くのオーディオファンが憧れたプリアンプである。内部も各ユニット毎に専用シールドボックスに収められておりその構造の美しさも絶賛の対象となった。音質だけでなく高級機ならではの操作感の良さなどマニア心をくすぐる製品であった。

ここで遂にTADユニットの登場である。

T氏から譲り受けたTAD TL1601aとFOSTEXのホーンユニットを部屋に持ち込んで早速SX-900と入れ替えた。
2WAYシステムとなり、セッティングなどは全く出来ていない状態だがそれでもTL1601aの余裕の低域とFOSTEXのホーンユニットから出る抜けの良いダイレクトな中高域はSX-900とは次元を異にするものであった。
なかちゃんは歓喜した。
しかし、いかんせん高域が伸びない。するとI氏から「今使っていないホーンツィーターがあるから使ってみる?」と提案が。言うまでもなく飛び付いた。
I氏が譲ってくれたのはCORALのH-100というホーンツィーターだった。
これを繋いで遂に3WAYホーンシステムが完成するのである。

良い  非常に良い

ダイレクトでヌケが良く音が飛び出して来る。

すると今度は高域のAU-α607DRが非力に感じられる。
せっかくのホーンシステム。そして嬉しさのあまり思い切って高域にも単体パワーアンプの導入を決意した。

丁度I氏がパワーアンプを1台入れ替えるタイミングだったのでお下がりのSANSUI B-2103MOS VUNTAGEが我が家にやって来た。(因みに、タダで譲ってもらったのはT氏からのTADとFOSTEXだけです)

SANSUI B-2103MOS VINTAGE

内部構造

SANSUI B-2103MOS VINTAGEは低域の駆動力の強さとシッカリとした質感で評判だったB-2102MOS VINTAGEの後継モデル。ややソリッドだったB-2102MOS VINTAGEに比べ、音に柔軟さが加わりしなやかで柔らかい表現も聴かせてくれた良くできたパワーアンプである。

SANSUI B-2103MOS VINTAGEを導入し、M-90a、P-102と色々鳴らし比べて低域にM-90a、中域にP-102、広域にB-2103MOS VINTAGEを使う事にした。B-2103MOS VINTAGEはどの帯域の音も良くできれば低域に使って安定感を出したかったちょころだが、この組み合わせではM-90aが低域以外で使い物にならず、P-102が良いのは主に中域付近の音質だったので自動的にB-2103MOS VINTAGEは高域用となったのである。

大きな不満もなく、この状態は暫く続いた

 次にオーディオ機器を購入するのに2年程時間が空いた。
その間になかちゃんは初めて自分の車を買った。この頃は生活も少しは安定してきていたので念願のマイカーである。買ったのは三菱のFTOというスポーティーカーだった。そのフォルムとエンジン性能に惹かれて買った。
2000ccのNAエンジンだったが当時この仕様で最高の200馬力/20.4kg・mというスペックだった。
この車ではI氏(TOYOTA MR-2ターボに乗っていた)と二人でよく走りに行ったものだ。走り屋という程のことではないが、峠の下りをハイペースで走ったりした。オーディオ以外で初めて楽しいと思った事である。
今はもう落ち着いてしまってそんな走りもしないが、運転そのものは好きである。(今はTOYOTA プログレ)

三菱 FTO GPX

初めて買った車でもあったせいか、非常に気に入っていた。
足回りと駆動系をいじっていた。オーリンズの20段調整ショックや強化クラッチ、ギア比の変更などもした。特に強化クラッチの効果は絶大でトラクションがダイレクトにタイヤに伝わり、いかにも走ってる感があった。
後に家族からの後ろに人が乗れない!というクレームによりセダンに乗り換える羽目になる。

下の画像は実際になかちゃんの乗っていたFTO GPX

 さて、その3でマルチアンプの話を完結しようと思っていたのだが、書いてみるととてもここで完結させられない事に気づいた。まだこれからもなかちゃんのオーディオ遍歴は続くのである。車の話など余談もあったが、次になかちゃんに起こるオーディオ歴の中でも最大級の衝撃は次回に持ち越す事にしようと思います。
まさかその4を書く事になるとは思わなかったが、この分だとその5も書かなきゃならなくなりそうだ。

その4に続く